見えるからと言って、実際にそこまでの距離が近いとは限らないんだって、ほんと思い知ったよ。
徒歩だったのもあったと思う。
立っていた崖の上がそのまま滝上まで繋がっているって話だったから、崖沿いに森の縁を歩いていったんだけど、歩けど歩けど一向にたどり着かない。滝とか木の壁が徐々に大きくなってきているのはわかったんだけど、いかんせん遠かったわけで。
結局、中洲に渡るための橋の袂に着いたのは、途中で二泊した翌日のお昼ころだった。
そういえば徒歩。車の移動に慣れていたから、中洲の街まで百キロ先って聞いた時はすぐに着くものとばかり思っていた。
「申し訳ありません。マシナリー国がオフロード用の二輪車を用意できていれば、これほど時間がかかることはなかったのですが……」
「いや普通に、移民艦にバイクとか載ってないからね?」
僕達が乗っていた移民艦は、そもそもが海洋船だったから方舟が辿り着いた先で自律移動することは考えられていなかった。だから、船内に載っているものはその船籍の国の特産品だとか、国からの餞別的なものが殆どで、実用的なものがほぼない。
僕が乗っていた日本船籍の移民艦も、種の保存を目的とした種子倉庫とか、熟成実験的な保存食だとか、ほんとすぐに使えるものは殆どなかった。
そもそも日用品は、母艦である方舟で生産消費されて宇宙を旅する計画だったんだから、当然の結果なんだろうけど。
「元自動車メーカーのエンジニアだったマシナリー達が開発を進めているのですが……」
「モモカさん。さすがに転生して三日では、無理だと思いますよ?」
「