そのまま公園のベンチに座っていてもどうにもならない感じだったから、怖がる香織を何とか宥めながら四人で公園の駐車場に移動した。
織人が乗ってきた車は外車で、何とかっていうメーカーのミニバン。
「カルソレーニのファンタズムですよ。うちの両親が、ベルギーの現地自動車メーカーとして販売している車ですよ?」
「知らないよ、なにそれ?」
両親ってことは、私のお父さんとお母さんってことか……やっぱ意味分かんない。
鈴音に助手席に座ってもらって、私と香織は三列シートの真ん中に並んで座った。香織はまだ怖いんだと思う、私の腕にしがみついた体が震えている。不思議なことに、香織にしっかりとしがみつかれているのに、私の腕が凍みていかないのよね。何でかな?
もしかしたら香織の今の状態に、異能を制御できる条件があるのかもしれない。
こんな状態で、運転席に座った織人が困ったような顔でこっちを見ているんだけど、そんな顔されたって、ねえ……?
「こここここ、こ」
「落ち着いて、香織。もう織人――ああ、元悪魔で魔王で何だっけ、魔界の――」
「宰相をしていました。真名はウォルド・ロインドスパークです。こちらの元魔皇であるベルフレア様……今は、鈴音ですね。かれこれ十万年ほど宰相として補佐をしていました」
「すすすすす、すすす」
「鈴音はね、私の異能の一つなの。香織が違和感を感じていたように、そもそも私の妹じゃなかったよ。でも異能に組み込まれてからは、鈴音は私の妹で、織人は私の兄ってことになってる」
「えっ? えええっ!? ふあああぁぁっ?」
「香織、さすがに驚きすぎだよ……」
しばらく経ったら何とか事態が飲み込めたみたいで、私の腕を開放してくれた。