ボツ 15.機体のインパクトより、私と携帯電話のほうが衝撃的だったみたい。


 昇降機に機体ごと乗り込み、ゆっくりと下に降下していく。
 程なくして昇降機が止まって、目の前の壁が扉に変わって開いていった。思わず後ろを振り向いてみたけれど、機体の後席に乗ったまま後ろが見えるわけなくて、顔を戻したら結衣に怪訝な顔をされただけだった。

 そこは巨大な駐車場だった。
 直立した機体が何体も格納されていて、そして無人だった。

「師匠、研究所の地下にこんな場所があったんですね。方舟って、基本設計段階から階層がオープンだったはずなんですけど、どうやってここ確保したんですか?」
「半月だな、ちょっと空間を歪めて無理やりここを確保した。まあ何だ、そもそもここは存在していない。存在していないものを存在させるために、あそこの疑似魔石に数時間おきに魔力を喰わせてるんだが」
「……は? あの……師匠? 全く、意味分かんないんですけど」
 空いていた格納庫に機体を立った状態で格納すると、機械音とかすかな振動のあとで機体が固定された。タラップが伸びてきてハッチが開いていく。
 レイジに続き、私の膝の上に乗っていた結衣が機体から降りる。それを待って、私もタラップに足を掛けた。

 そのタラップの上から見回してみると、公式にはまだ研究段階だったはずの機体が見える範囲で数十機あるのが見えた。中央には凝った装飾の台座があって、一抱えほどもある青白く光る意思があって、気になってみていたら少し目眩がしてきた。

「ミモザちゃん、疑似魔石をあまり凝視しないほうがいい。不安定な失敗作だから、自分をしっかりと認識していないと存在を喰われる