ボツ 13.後ろに乗せてもらった機体は、想定以上の動きをしていたわ。
いつの間にか魔獣で溢れかえったトンネルを、レイジさんが運転する車で進んでいく。 トンネル内は六車線あるから、基本的に出会った魔獣は避けて進んでてるんだけど、やっぱり大きな個体と遭遇した時なんかは避け…
いつの間にか魔獣で溢れかえったトンネルを、レイジさんが運転する車で進んでいく。 トンネル内は六車線あるから、基本的に出会った魔獣は避けて進んでてるんだけど、やっぱり大きな個体と遭遇した時なんかは避け…
慌ててミリエルが機械人間の女性を異次元収納から取り出す仕草をすると、消えたときと同じようにあっさりと目の前に現れた。ただ、さっきはしゃがんでいたのに、今は立ち上がっていることからどうやら異次元収納の…
まるでスローモーションのようにゆっくりと振り抜かれる太い腕に、私は目を見開いたまま瞬きすらできなかった。極限の状況で、脳内の時間が引き伸ばされているんだと思う。 「きゃあああぁぁ――」 私の右腕にし…
あらためて、目の前の二人をよく観察してみる。 機械化しているから分かりづらいけれど、おそらく女性二人 鈍色の肌には切れ目が入っていて、そこに張られたゴムみたいな膜が体の動きに合わせて伸縮している感じ…
『おはようございます、先輩。起きていますか?』 扉を叩く音に、眠りから覚めた意識がはっきりしてくる。 眠い目をこすると、目元がパサツイていた。そういえば昨日、イブキからの電話を待っていて、結局電話が来…
「はっ、ここは……?」 意識が戻ってくる。 どうやら僕は床に倒れているみたいで、知らない天井が見えていた。 「……さすがに酷いですよ、イブキさん。何ですかあれ、あの光魔法は反則です。この先は絶対に、光…
「なっ……えっ……?」 咄嗟に呑み込んだ息が止まる。 呼吸の仕方を忘れて、かすれて出た声の後に思いっきりむせた。 イブキは方舟に居ない。 それだけじゃなくて、今イブキがいるのは移民艦だって。 移民…
「ちょ、ミモザ大丈夫か? ちょっと前に意識が戻ってさ、電話に出られなかったっていうか」 電話の向こう側で泣いているミモザに、思いの外安心している自分がいた。 あれは、夢だったんだ。 僕が目が覚める…
方舟が墜落してから、三日経った。 あれから一度も、イブキと連絡をとっていない。 忙しくて電話する時間がなかった、ってのは自分に対する言い訳。確かにあの後すぐに、仮設住宅の配電作業には入ったけれど、…
不自然に光り輝いている壁に手を触れてみる。 普通に金属の壁、だよなこれ。 壁の作りもさっきまで僕とミリエルがいた移民艦と同じ。ここに来るまでは艦の動力が落ちていて真っ暗だったから、魔法の明かりで照ら…
片足が欠けた女性は、ロビーに設置されたベッドに寝かされた。どうやら既に意識がないみたいで、目を瞑ったまま胸だけが上下に動いている。 辺りは迷彩服の人たちの他にも、白衣を着た人たちが慌ただしく駆け回っ…
「そうですね、イメージとしては体に魔力の服を着るような感じです。そしてその魔力の服を、体の動きに合わせて魔力で直接操作すればいいだけです」 ミリエルが言っている、魔力の服を着るっていうイメージがそもそ…
「わ、私を食べたって、おお、美味しくないわよ?」 ゆっくりと、後退る。 大きな狼。頭の位置が私の頭より高い位置にあるから、必然的に見上げる形になる。その狼の赤い双眸がすっと細められた。 真っ黒な体毛…
「えっと……僕は小鳥遊イブキ、呼ぶ時はイブキでいいよ。君は?」 僕が声をかけると、膝を抱えて俯いていた天使がゆっくりと顔を上げた。 当面の問題として、この部屋からどうやってか脱出しないといけないんだけ…
とぼとぼと駅に向かって歩く。 あれからしばらく呆然としていたんだけど、途中で気がついた。私は別に今すぐに外に出られなくても、特に問題はないんだって。 仕事場は消滅しちゃったし、肝心の方舟は未知の星…