百八話 変質した魔王晶石
やがて、透明な緑色だった魔王晶石がゆっくりと変色していった。 緑が徐々に水色に変わっていく。そのまま青色が濃くなっていき、紫色に変わる手前で変色が止まった。 色味としては、群青色と言ったところか。 …
やがて、透明な緑色だった魔王晶石がゆっくりと変色していった。 緑が徐々に水色に変わっていく。そのまま青色が濃くなっていき、紫色に変わる手前で変色が止まった。 色味としては、群青色と言ったところか。 …
車から降りたところで、目の前の光景に篤紫は思わず肩を落とした。 ちょうどと言うか、車を停めた豪邸のすぐ近くに、件の塔がそびえ立っている。塔から見ても、正面入り口左側にあるこの豪邸は、はっきり言ってや…
そんなわけで、やってきました、アディレイドタワーダンジョン。 何か響きだけ見ると、タワーマンションにも聞こえなくもないけれど、迷宮王国を冠するアディレイド王国で、一番大きいダンジョンになる。 アディ…
お城の車庫を出ると、空には青空が広がっていた。 綺麗に敷かれた石畳をヒスイが運転する魔神晶石車が駆けていく。お城からだと、市街地まで三十分。そこから西にさらに十五分位走ると、やっと国ごと転移した、シ…
「知らない天井だ……」 窓から朝の日差しが差し込んでいる。 天蓋付きベッドの天蓋が思いの外圧迫感があったので、桃華に断りを入れて天蓋を収納してから眠りに就いた、までは覚えている。 さすがに過去にもダン…
魔神晶石車がゆっくりと敷地の道を走り出す。 それに併せて、道の左右に灯っている明かりが後ろに流れていった。 ヒスイが気を利かせて窓を開けてくれた。少し冷たくなった夜の風が車内に流れてきて、火照ってい…
王都を囲む壁の門をくぐると、途端に視界が人で溢れかえった。 通り沿いには色とりどりの屋台が建ち並び、美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。うん、思いっきり生活感と躍動感がある。「うん、いいわね。やっと人里…
「えっと、飲み物はどうやって頼めばいいんだ?」「はい。こちらで注文をいただいて、職員が準備する形式になっています」「あ……そうなんだ。それじゃあ――」 最初、ヒスイも含めて三人で近くのテーブルについた…
『探索者ギルド フォルナイン支部』 押し開きの扉を支えながらここの支部名を見ると、フォルナイン支部と書かれていた。最初は篤紫の手を引いていた桃華は、待ちきれなかったのか少し前に、篤紫の手を払って先に建…
もし歩いて入国していたら、たぶん入ってすぐのところで立ち止まってしまっていたと思う。 視界に飛び込んできた街並みは、篤紫と桃華の想定を越えていた。 そんな二人を乗せた馬車を、馬の姿のヒスイが牽き、大…
ウルルを出発してから二週間ほど経った。 正直言って道中に道なんて物は無く、ヒスイの馬と魔神晶石の馬車じゃないと無理だったと、改めて実感していた。「しかし、道が無いって言うのはなかなか大変なんだな」「…
お祭り騒ぎから一夜明けた。 結局あの後大半の人たちはそれぞれの国に戻ったけれど、何人かは戻らずにこの場所に残った。そのまま外で寝るのはさすがに危険だったので、魔神晶石の馬車を出し、ヒスイに馬車の周り…
ダークゲートを抜けると、青い空と大海原が広がっていた。 遙か彼方に、うっすらと島が見える……いや、もしかしたらあれは山か。「ねえ、どうして一面に海になっているのかしら?」 隣で桃華が首を傾げながら呟…
そして何故か、再び篤紫たちは各竜人族の領地を巡回する旅をしている。 あの時は緊急避難に近かったこともあり、ほとんどの竜人たちが着の身着のままで大樹ダンジョン内に駆け込んだような状態だった。 それで、…
「あのさ、久しぶりに外に出られたのに、洞窟の中ってどういうことなの? おとうさん、もしかしてこれ嫌がらせ?」「ねえねえ、夏梛。あっちが明るくなっているから、きっと外だと思うわ。文句言ってないで行くわよ…