九十三話 あら、こんなところに竜晶石が
話を詰めた結果、竜晶石に辿り着いて世界が元に戻ったら、正式に大樹ダンジョンの中に竜人の国を発足させることになった。 木を切って家を建てて、新しい街並みを作ってゆっくりと過ごす。寿命が万年単位の竜人族…
話を詰めた結果、竜晶石に辿り着いて世界が元に戻ったら、正式に大樹ダンジョンの中に竜人の国を発足させることになった。 木を切って家を建てて、新しい街並みを作ってゆっくりと過ごす。寿命が万年単位の竜人族…
翌朝、篤紫と桃華は竜晶石を目指して草原を駆けていた。 周りは、徐々に岩が目立ってきている。セイラの話によると、竜晶石の付近はその周りを除いて、岩石が多くある山岳地帯になっているらしい。 いまも、徐々…
「……あー、ナナナシアだな」 画面を見ると、着信先はやっぱりというか、ナナナシアだった。着信画面にこの名前が出ていると、何だか億劫な気持ちになる。何でだろう。 篤紫は通話をタップして、スマートフォンを…
「取りあえず、扉に穴を空けてみるか」 魔道銃を取り出して、扉の端っこに向けて構えた。 扉の端に穴を空けるだけなら、もしこの街が復興してここを再び使うようになったとしても、そんなに分からないよね? 念の…
「さすがに、この状況はおかしいな……」「そうね。いつまで経ってもドラゴンの数が減らないわね」 かれこれ一時間。篤紫と桃華はドラゴンを倒し続けていた。 篤紫達は空が飛べないので、背中の翼を具現化させてド…
翌朝、朝食を食べたあと黒竜領を出立ちすることにした。相変わらず街が広く、領壁の門まで来るのに既に五十キロ位は移動したと思う。『この馬車を持って走ればいいのね?』 目的地の白竜領までの距離を聞いたら、…
『篤紫殿と桃華殿の神力、しっかりと拝領いたしました。想定以上でした。 竜人族を代表して深謝を申し上げます』「えっと……あー、はい」 もの凄くコメントしづらい。何だろう、翼を広げて気絶したのにそれで感謝…
大通りをゆっくりと歩くセイラの後を、篤紫達がかなりの速度で駆けていた。時折セイラが心配そうに振り返って、後を付いてきているのを確認している。「やっぱり巨人の歩幅ってすごく大きいのね」「確かにな、ゆっ…
白竜系の竜人、セイラに案内されて、篤紫と桃華、それにヒスイの三人はセイラが泊まっていると言うホテルに辿り着いた。 豪華絢爛なそのホテルは、セイラが普通の立場じゃないことを暗に物語っていた。 ていうか…
「つまり、巨人の国まで流されたってことなのね?」 取りあえず目に入った情報を話すと、再び全員で頭を抱えることになった。『またしても我は外で動けないようだな。篤紫と桃華、それにヒスイの三人に動いて貰う他…
ドゴーン――。 激しく土を巻き上げて、篤紫達三人は地面に墜落した。 森に突入する直前で、ヒスイが三人を緑色の防護膜で包み込み、それがそのまま地面まで落ちた状態だ。少しして、膜を全て消してヒスイが立ち…
篤紫はホルスターのポケットから、鉄の塊を取り出した。同じく取り出した魔道台の上に金属塊をのせた。 さんざん世話になった魔鉄みたいな柔らかい金属はないので、まず目の前の金属の塊に対して柔らかくなるよう…
十メートル上程度の高さなら、変身している篤紫には簡単に飛び上がれる高さだった。そのままジャンプして穴に入ってみた。 下から見ていた時にも感じていたことだけど、その穴はとても大きな穴だった。天井まで五…
篤紫が御者台から下りて壁を見上げていると、誰かがコートの裾を引いてきた。振り返って見下ろすと、馬から幼女の姿に変わったヒスイが、篤紫を見上げていた。 いつも通り、透き通った緑一色のヒスイだけれど、な…
「うわ、これはけっこう面倒くさいな」 御者台でスマートフォンの地図アプリを見ながら、篤紫は大きなため息をついていた。 ヒスイが牽く馬車は、悪路でも難なく駆けている。馬車の方には、一切の問題も無い。それ…