七十八話 星のコアに戻れない
タカヒロ達が空路で旅立ってから、新たな問題に直面していた。 いつも妖精だったコマイナが座っていたテーブルに、今は妖精の姿をしたナナナシアが座っている。 商館ダンジョン氷船とともに旅立って、建ってい…
タカヒロ達が空路で旅立ってから、新たな問題に直面していた。 いつも妖精だったコマイナが座っていたテーブルに、今は妖精の姿をしたナナナシアが座っている。 商館ダンジョン氷船とともに旅立って、建ってい…
「ナナナシア、携帯できるダンジョンがあれば問題ないんだな」「だから、この世界にはダンジョン無いんだよ? コマイナちゃんでも連れてこられれば問題は解決するけれど、物理的に無理なんだからね」「分かっている…
正直、あの時やったコマイナの権限改変が、こんな所にまで影響を及ぼしているとは思わなかった。ただ、そうなると行き先は恐らく一つしか無い……。「「なあ」」 篤紫とレイスの声が被った。当然ながら、二人とも…
大樹ダンジョンに入ったところで、篤紫は足を止めた。 見た限り、状況が全く掴めなかった。国王のレイスが数人の男に刃物を向けられているのはわかった。しかし、王妃のユリディナーレと王女メルディナーレが、視…
左手にヒスイを抱いて、右手に大樹と馬車の魔石を持って、篤紫は魔王国正門の前に立った。ここを越えれば、ペアチフローウェルたちが自由の身になったことになる。 ヒスイに顔を向けると、しっかりと頷いてくれた…
ダークゲートをくぐるとそこは、質素な部屋の中だった。大きな机があって、その上に書類が整理しておかれていた。 どうも、クランジェの執務室か何かにお邪魔したようだ。『女王。こっちに戻られて、大丈夫なので…
篤紫たちがアーデンハイム王国の国境門まで行くと、なにやら門の辺りが騒がしくなっていた。 道中の魔物は、行きと変わらなかった。むしろ、ゆっくりと魔物達が平和になった魔物の巣窟に移動しているようにも感じ…
朝の風は少し肌寒かった。 馬車の裏に畳まれている階段を起こして、後部の扉に手をかけた。「そう言えば、これって引くんだっけ? それとも押すのか?」 振り返ると、全員が首を横に振っていた。昨日、扉を開け…
まさか、石に対して青銀魔道ペンが使えないとは、完全に想定外だった。「なあ、ヒスイ。この石って何なんだろうな?」 首を傾げて作業を見ていたヒスイは、力なく首を横に振った。 拡張袋に入れてあった石を取り…
思いの外遠くまで進んでいたようで、馬車でクレーターを迂回してしばらく走ると、辺りが夕日で赤く染まりだした。 魔物がいなくなった魔物の巣窟は、何もないただの平原になっていた。踏み固められた大地には、草…
そういえば、夏梛達は倒した魔物から魔石を回収していないのだろうか?「あー、無理だよ。みんな魔石ごと消滅させちゃったから、一つも拾っていないよ」「私もそうです。魔石が残っていると魔物が復活するような気…
篤紫がクレーターの坂を上っていくと、そのあとから緑色の男が付いてきていた。篤紫が立ち止まって振り向くと、同じようにその場で停止している。 再び歩き出すと、二歩半ほどの距離が開いたまましっかりと付いて…
看板に案内されて進んだ先は、まさに魔物の巣窟だった。言い方を変えれば、魔物の博物館のような様相だ。 ゴブリンだけでも、その上位種であるホブゴブリン、ゴブリンシャーマン、ゴブリンロード、ゴブリンキング…
最終的にアーデンハイム王国と魔王国は、平和条約は締結することになった。 レイス王が署名をした後、ペアチフローウェルが最後の仕上げをすると、書面が二つに分割複写されて双方の手に渡った。 それを受けて、…
友好同盟の話があっさりと肯定されて、王国の一同は再び動きが止まった。過去の対立を考えて、ある程度交渉が難航すると思っていたようだ。 それがまさかの即答に、提案したレイス王でさえ次の句が出てこなかった…