十九話 旅立ちの日
それから、つつがなく旅立ちの準備は進んだ。 ルルガに頼んであった魔道馬も、予定よりも一日遅れ程度で完成した。もともと、無理を言ってお願いしてあったため、これでも早く作ってもらえたと思う。 もともと、…
それから、つつがなく旅立ちの準備は進んだ。 ルルガに頼んであった魔道馬も、予定よりも一日遅れ程度で完成した。もともと、無理を言ってお願いしてあったため、これでも早く作ってもらえたと思う。 もともと、…
キングと妖精クロムを見送った後、ふと思い出して上着の胸ポケットを覗き込んだ。眠りこけていた妖精コマイナを、さすがにキングの家に置いてくるわけにも行かず、ポケットに入れて寝かせてあったんだけど……。 …
基本的にダンジョンコアとダンジョンマスターは一対の存在だ。 今回、サブダンジョンマスターなどと言う、異質な存在があるのにも、やっぱり神晶石が絡んでいるわけで、若干特殊な状況だったりする。「ここのダン…
魔獣から魔族に変わって、精神的な構造も変化したのだろう。妖精クロムに抱きつかれたキングの緑色の顔が、紫色に変わったかと思うと、立ったまま目を回して気絶してしまった。 腕の中のキングが気絶したことで、…
馬車もどきの走りは、すこぶる快適だった。 御者台の専用シートに座った妖精コマイナが、楽しそうに身体を揺らしている。篤紫が操舵輪を操作している隣では、妖精クロムが翼を小さくたたんで嬉しそうに、姉である…
妖精クロムが誕生したはいいけれど、既に夜も遅かった。妖精クロムには、眠っている妖精コマイナと一緒に、コアルームで寝て貰うことにした。 いつものように桃華がキャリーバッグからベッドを取りだして、真ん中…
妖精コマイナは赤鉄色のダンジョンコアを抱えたまま、ふらふらと机まで飛んで上がると、机の上にそっと抱えていたダンジョンコアを置いた。 コアが転がっていかないように、机を変形させて台を造るのも忘れない。…
たくさんあった料理があらかた終わって、デザートとお茶の時間になった。空いた料理皿を片付けて、魔道台の周りに椅子を出して並べた。 みんなで手分けしてケーキをお皿にのせて、コップにお茶を注ぐ。 そう言え…
太陽がゆっくり沈んでいく。 夕焼け空に辺りが優しいオレンジ色に染まる中、家路をゆっくりと歩いていた。 篤紫は思う。できればカレラからもう少し、夏梛の学園の頃の情報を聞き出しておきたい。それに、リメン…
原因が分かれば、後は同じ作業を繰り返すだけだ。 さすがに最新鋭の魔道漁船だけあって、錆びていた魔道機関さえ何とかできれば、後は問題なく稼働した。むしろ、壊れる前よりも調子が良くなったという声が多かっ…
「こちらが、問題になっている船の魔道機関になります」 目の前の錆に覆われた丸い物体に、そっと触れてみる。触る端から錆が崩れていって、手を真っ赤に染めていった。 どうしてこんなになるまで、錆びるに任せて…
その草原エルフの少年は、サラティに近づいていくと、まじめな顔でサラティを覗き込んだ。「もう少し統治者として、魔王の威厳を醸し出してもらえませんか? 満場一致で任期延長、あなたがあと十年は魔王なのです…
篤紫は店主の手元をじっと見つめた。 ちょうど『i』の文字を書き始める所だった。店主が手に持っている魔道ペンが、『L』の横に、点の部分を描き込む途中で魔道ペンの動きがが止まった。 魔道ペンが輝き始めて…
篤紫と桃華は次の日も、朝から箒作りに精を出していた。 店じまいをして、夜のうちに作っていた箒の魔道具も、開店と同時に全て売れてしまい、あまりの売れ行きに篤紫は思わず首を傾げた。「なあ桃華。どうしてこ…
マリエルを包み込んでいた光が、ゆっくりと衣装に変わっていく。 篤紫は変身したマリエルを見て、妙に納得してしまった。 そこには真っ赤なイブニングドレスを纏って、髪の色が真っ赤に、巻角の色が緑色に染まっ…