四話 ルルガ鍛冶工房
「ルルガがお茶を出すなんて、イメージにないな」 出されたお茶を飲みながら、篤紫は首を傾げた。 篤紫の対面に座っていたルルガは、カップを持ったまま苦笑いを浮かべた。「いやキングがよ、進化して魔族になった…
「ルルガがお茶を出すなんて、イメージにないな」 出されたお茶を飲みながら、篤紫は首を傾げた。 篤紫の対面に座っていたルルガは、カップを持ったまま苦笑いを浮かべた。「いやキングがよ、進化して魔族になった…
「いってらっしゃい、気をつけてね」 朝日が昇る前、まだ辺りが薄暗いうちに篤紫は出かけた。店の前で手を振る桃華に手を振り返して、一路国壁を目指す。 国壁にはいつもの門番がいて、ちょうどうたた寝をしている…
『……あ。もしもし、おとうさん? 何ですぐに電話に出ないのよ』 久しぶりに耳にする娘の声は、何だか険のある声だった。 篤紫が開きかけた口のまま次の句が継げないでいると、夏梛の声はさらに険しくなっていく…
「これは、普通にジョイント部分が劣化しただけだな。 少し待っててくれ。これくらいだったら、そんなに時間をかけずに直せると思うよ」 店と呼ぶには閑散とした室内では、男と女、それから客である老紳士がにこや…
文字で書くと一万年だけど、一万年ってすごく長かったな。 レイフォールなんて一番最初に死んじゃって、それでも晩年は幸せだったって言ってくれた。忙しくて週に一回しか顔を合わせなかったのにね。 逆に、妻が…
「あっ……日本列島……」 七時間くらいは飛んだと思う。 麗奈の目に、何となく見覚えがある地形が見えてきた。速度を少し落とし、高度も徐々に下げていく。 ちょうど目に入ってきたのは、愛知県の辺りかな。海沿…
麗奈は、時速二千キロの速度で大空を飛んでいた。 ちょうど二時間程前に朝日が昇って明るくなったので、赤道付近にあった小島で、アッシュに貰ったお弁当を食べた。 二段弁当の上には、タコさんウィンナーに卵焼…
また、わたしは蘇った。 見上げた天井は、昼前にも見た天井だった。 また、北の魔術塔にある星の石で復活したらしい。 周りがざわついている。さっきと同じ人たちが、同じような作業をしていて、みんな揃って目…
「メナルア様、待ってください。今からシーオマツモ王国に向かうのですか?」 蘇った部屋から階段を上ると、建物のエントランスになっていた。少しイライラしていた麗奈は、そのまま建物の外に出た。 建物の外は、…
麗奈にルルネ、ソレイユ、ロイドの四人はエントランスに集まっていた。 時間がおかしい部屋の前に設置してあったカメラは、今は脇に退けてあった。改めて見ると、カメラとモニターを繋いでいたケーブルがすごく太…
「つまり、千五百倍の時間差をひっくり返すことが出来れば、この部屋はもの凄い重要な部屋になるってことよね」「えっ? そうなの?」 一通り話をした結果、ルルネが下した判断は麗奈の想定していない結論だった。…
「新しい国の名前は、シーオマツモ王国にします」 麗奈のその宣言で、国としての初めての会議が始まった。 ガンドゥン帝国と草原で戦ってから、早くも一ヶ月が経とうとしていた。 正直全員が着の身着のままで移動…
周りを見回してアッシュを探すと、丁度フィレンメール王国の王国兵士の女性と話をしているところだった。 アッシュが王国兵士に頭を下げ、王国兵士が慌てて首を横に振って頭を上げて貰おうとしていた。何だか、不…
カチャカチャと、金属が当たる音が聞こえる。麗奈に向けて銃を撃った列が後ろに下がり、新たに前に出てきた部隊が麗奈に向けて銃を構えた。 銃を構えたまま、無表情で上官の命令を待つ。つかの間の静寂が訪れた。…
麗奈がしいてきた道は、魔法で均してきた道だけあって、アッシュが運転する車もスムーズに走り続けていた。 フジの山の樹海から続く道筋に麗奈が選んだルートは、地球だと山梨県を通過して長野県の諏訪湖を通るル…