76話 ダンジョンの青い樹
桃華と手を繋いだまま、ぼんやりと宴会風景を見ていた。 やっぱりダンジョンの中だけあって、吹いてる風も暖かい。青い樹の葉が風に揺れて、シャラシャラと不思議な葉音たてている。「こんな景色もいいわね」「み…
桃華と手を繋いだまま、ぼんやりと宴会風景を見ていた。 やっぱりダンジョンの中だけあって、吹いてる風も暖かい。青い樹の葉が風に揺れて、シャラシャラと不思議な葉音たてている。「こんな景色もいいわね」「み…
「ん……あ。まぶしいな……」 あれからほぼ徹夜だったため、メディ・アップルがエルフ全員に行き渡ったのを確認した途端に、倒れるように眠ってしまった。 ベッドに横になったまま窓の外に目を向けると、外はしっ…
桃華と一緒に応接室に戻ると、メルフェレアーナとエルフの族長は、いまだに苦い顔のまま、頭を抱えて話をしていた。 桃華は小さなため息をつくと、メルフェレアーナの側まで行って、肩を叩いた。「あ、桃華。どう…
細かい状況を把握するために、エルフの族長と、メルフェレアーナ、篤紫の三人で応接室に移動していた。 青い家の外見と違って、内装は普通の木の色が使われていた。椅子や長机も、木の優しい色合いを使った、落ち…
エルフの集落は、想像していたものと違っていた。 迎えに着たエルフ達に案内されて、深い森を抜けた。その視界の先には、夜闇に光の帯が浮いていた。 近づいていくと、光の帯に見えていたのは、外を照らす魔道具…
深い森だ。立ち並ぶ木々は、かなり背丈が高い。負けじと、大地から伸びている下木を、慎重にかき分けて進む。 下木といっても、大人の背丈もあれば、立派な障害になる。 さらにダンジョン壁から離れると、あっと…
木々が炭結晶化した森の中を、オルフェナが暴走していた。 まっすぐ、ただひたすら霊樹エル・フラウに向かうオルフェナにとって、立ち焼けて結晶化している木々は、ただの障害物でしかなかった。 体当たりで粉砕…
取りあえず説明のために、篤紫の作業部屋、魔道具研究室に移動して貰った。 メルフェレアーナは、何故か桃華に手を引かれながら、しきりに首をひねっていた。確かに意味分からないよね、魔法少女。 いや、俺だっ…
土砂降りの雨が降っていた。 ちょうど海岸に近づいたところで、それまでの雨が嘘のように止み、午前中の焼滅光線が差し込んできた。 海岸線の真上から見たエル・フラウ島は、酷い有様だった。 ブロッコリーの様…
コアルームに着くと、テーブル横にあるいつもの指定席で、妖精コマイナが優雅にお茶を飲んでいた。 テーブルには、篤紫の分のお茶がカップに注がれていて、淹れ立てなのだろう湯気が立っていた。『篤紫様、まずは…
オルフェナの息が荒い。こんなオルフェナ初めて見た。 いつも冷静沈着で、偉そうにふんぞり返っているけど、今日はその面影が全くなかった。「いや、オルフ? そもそもパラメーターを自動にして、失敗してできた…
慌てて排出レバーをあげて、出てくる謎金属を止めた。 思わず顔を見合わせた。ルルガの顔に苦笑いが浮かんでいる。「これは、やばいやつだな」『どうしよう、この溶鉱魔炉の中いっぱいにあるよ?』 取りあえず、…
魔石灯が照らす階段を下った先は、だだっ広い部屋だった。 部屋の真ん中には、溶鉱魔炉の下部分が天井から床に抜けて建っていた。『こっちだよ、篤紫。ここの板に溶鉱魔炉を動かす魔術が書かれているんだけど、何…
細かい話は、新スワーレイド湖国の代表と直接話をすることになった。 このあと、タカヒロさんとユリネさんはスワーレイド城に、メルフェレアーナとキングは白亜城に行って、会談の準備をするそうだ。 篤紫がスマ…
ルルガに案内されながら、大通りを進む。 歩きながら眺めてみても、そこに居るのはゴブリンだけだった。それも、見える範囲だけでかなりの数がいる。 大通りは商店街になっているようだ。 馬車などが通らないの…