61話 ゴブリン
ルルガに先導されて、長い階段を下りていく。 鈍い黒色をした金属質の壁は、階段に入ると壁や天井まで綺麗な平面になっていた。所々光の加減か、虹色に見える。「おかあさん、壁がすっごく綺麗だね」「壁は鉄だっ…
ルルガに先導されて、長い階段を下りていく。 鈍い黒色をした金属質の壁は、階段に入ると壁や天井まで綺麗な平面になっていた。所々光の加減か、虹色に見える。「おかあさん、壁がすっごく綺麗だね」「壁は鉄だっ…
ダンジョンの前にある門をくぐると、大図書館と同じように体が重くなった。まるで水の中を歩いて進むような、そんな感覚だ。 時間差の調整。確か、そんな説明を受けた気がする。 それだけ、時間の壁は重いのだと…
丘に登る草原には、心地よい風が吹いている。気温は高めで、ぽかぽかした春の陽気を思わせる。 拡張収納袋のおかげで荷物は少ないものの、歩くだけでもけっこう汗ばんでくる。 空は相変わらず、突き抜けるような…
つまり、この子は何も知らないわけね……。 今も呆然と、何かを一生懸命考えている。きっと、この子が紫狐族で人化できた個体の中で、一番若い子だったのでしょうね。 桃華は小さなため息をついた。 ぬるくなっ…
桃華はじっと、相手の動きを観察していた。 間違いなく神社の主は、この狐耳女なのよね。さっきの狐は、この狐耳女のところに私を案内したかった。 そもそもあの狐、キャーキャー鳴いているだけで、意思疎通がで…
窓から空を見上げると、透き通るような晴れ空だった。 鏡を見ながら、先っぽがちょっと癖毛な髪を梳かした。ドライヤーの代わりに、手から暖かい風を流し込んだ。初歩の生活魔法だ。 今日は絶好の散歩日和、朝か…
シーオマツモ王国の復興の目処が立ったことで、コマイナは再び空の旅人となった。 徐々に小さくなっていくシーオマツモ王国を眺めながら、篤紫はソファーに深く腰を落とした。ずっと張り切って、復興の手伝いをし…
それが夢だと言うことは気がついていた。 自分たちがもう、そこに戻ることができないことも理解していた。 でも今だけは、その夢に醒めてほしくなかった……。「元気な女の子ですよ。おめでとうございます。 母…
朝日が昇った。 コマイナの中から、朝日に照らされるシーオマツモ王国を見ていた。 静まりかえった室内に、つばを飲み込む音が、やけに大きく聞こえる。 シーオマツモ王国のダンジョン化した国壁から、ドーム状…
コアの世界に移ったときのように、再び原始の音に包まれると、魔導城の最上階に戻っていた。 部屋の真ん中には、コアが二つ並んでいた。 ソウルコアもダンジョンコアも、いまは白く柔らかな光を放っている。見比…
優しい音色が鳴り続いていた。 鈴のようなその音は、心の奥にある記憶を呼び覚ます。「あつしくん、おはよう。難しい顔してどうしたの?」 この子は誰だろう。 おかっぱ頭に、クリクリの瞳。無邪気な笑顔で、篤…
そう言えば、この階段は何なのだろうか? 最上階へ続く階段を上りながら、ふと気になってメルフェレアーナに聞いてみた。「え? どちらかというと、ここは非常階段だよ。何回も言っているけど、普段はエレベータ…
そっと、地下三階の床に降り立った。 そこは資料や書類を保管する部屋のようだった。天井から生えている長棚に、沢山の書類が保管されていた。 階段は、そのまま折り返して地下四階まで繋がっているようだ。 そ…
テーブルの上には、紅茶が入ったカップが並べられ、苺のショートケーキがお皿に乗せられていた。 今日は、同じ紅茶でも種類があるのか、ポットか四つ置かれている。 女性陣が優雅にお茶を楽しんでいるのを見なが…
何かとても嫌な予感がする。 なぜダンジョンの床から、シャンデリアが生えているのだろう?「レアーナ、ちなみにこのダンジョンって、どういうダンジョンなんだ?」「えっ、確か階段を下りてすぐに扉があって、そ…