ボツ 5.目が覚めたら、意味がわからないくらい非常事態なんだけど。
『あの、すみません。ここってどういった感じの場所なのですか?』 誰かの声が聞こえる。 僕の意識が、ゆっくりと浮き上がっていくように戻っていくのがわかった。 『ところでどうして、水の中に沈んだままで生き…
『あの、すみません。ここってどういった感じの場所なのですか?』 誰かの声が聞こえる。 僕の意識が、ゆっくりと浮き上がっていくように戻っていくのがわかった。 『ところでどうして、水の中に沈んだままで生き…
「あっ……私……」 意識がはっきりしてくる。私は慌てて体を起こした。 首をひとしきり回してみると状況は、それほど変わっていない感じだった。たぶん意識を飛ばしていた時間は、それほど長くなかったんだと思…
機関制御室の中は、無言だった。 その部屋にいる全員が、正面の壁に映る真っ黒な雲を、固唾を飲んで見つめていた。 『方舟、成層圏を越えました。補助推進機二機を切り離し、主推進機に切り替えます』『よし、補…
『方舟、成層圏を越えました。補助推進機二機を切り離し、主推進機に切り替えます』『よし、補助推進機分離!』『分離します!』 また、僕は夢を見ていた。 たぶんこれは誰かが見ている視界か、もしかしたら誰か…
世界が止まった。 私の前にはまだ横倒しのバスがあって、時間が動き始めたら多分私はバスに押しつぶされる。今だってきっと、危機的な状態で思考が加速しているとか、今はそんな状態なんだと思う。 ほらあれよ…
ミモザと約束したから、今日は早く家を出ないといけないって頭では理解していた。 方舟へ向かう輸送船は予約制とはいえ、定刻で出発しているから遅れたとしても待ってもらえない。その前に、バスにだって乗らなき…
ゆっくりと、目が覚めていく。 私が起きたことをセンサーが察知して、天井の証明がゆっくりと明るくなった。 この見覚えがある天井は、私の部屋。 イブキだったらきっと、『知っている天井だ』なんて言うよね…
ゆっくりと、意識が戻ってきた。 電話が着信している音がベッドサイドのテーブルの辺りから聞こえてくる。僕は、大きく伸びをしながら、手を伸ばして電話を手繰り寄せた。寝ぼけ眼のまま、画面の着信ボタンをタッ…
私はすぐに、それが夢なんだって気づいたわ。 真っ黒な空間だった。 その夢の中にいる金髪の少女が私で、黒髪のハーフエルフの男の子にしっかりと両腕で抱きかかえられていた。その男の子の名前が『イブキ』…
僕はすぐに、それが夢なんだって気づいた。 真っ黒な空間だった。 その夢の中にいる僕はハーフエルフで、金髪の少女をしっかりと両腕で抱きかかえていた。その金髪の少女の名前が『ミモザ』だってことは、夢…
そのまま公園のベンチに座っていてもどうにもならない感じだったから、怖がる香織を何とか宥めながら四人で公園の駐車場に移動した。 織人が乗ってきた車は外車で、何とかっていうメーカーのミニバン。 「カルソ…
「変形するぞ。ミモザ、シートベルトは――」「四点のを、しているわっ! 大丈夫よ!」「よしっ、変形だっ」 レイジの掛け声とともに、空中を舞っていた機体が変形を始めた。 ただ……これは結構きついわね。 …
翌朝。 僕がヘルウルフの塒から外に出ると、既に日が昇っているはずなのに辺りは何だか薄暗い。見上げた木々の隙間から見えた空はどんよりと曇っていて、降りしきる雨が木の葉を湿らせていた。うん、何でだろう。…
「ちょっと、ヘルウルフ? 世界の危機ってどういう事?」『ふむ。途中参加のイブキには、最初から説明せねばならぬか――』 首を落としていたヘルウルフが、僕の方に顔を向けた。 そして最初にそう前置きをして、…
僕がカードを受け取ると、フィナンシェラはヘルウルフと一緒に近くの柱まで歩いていった。壁に触れると、柱にあった扉が左右に開いて、中に小部屋が現れた。 あれってもしかして、エレベーター? 小部屋の中に…