プロローグ ~方舟~

『成層圏を越えました。補助推進機二機を切り離し、主推進機に切り替えます』「よし、補助推進機分離!」『分離します!』 前面の大型モニターに映る地球は、一面に漆黒の厚い雲に覆われている。既に地上に日光が届…

百四十一話 地球防衛軍……?

 思いの外、鉄扉が重かった。 最初、篤紫だけで押そうとしたらびくともしなかったので、桃華が補助に入り、すぐにヒスイが参加してやっと開けることができた。 何だか嫌な予感がして、ゆっくりと部屋の中に足を伸…

百四十話 逆さまの方舟

 ゆっくりと、視界が戻ってくる。 篤紫は大きく息を吐いて、地面がしっかりと硬化したことを確認してから立ち上がった。宇宙船『方舟』がダンジョン化した証拠に、全ての壁と床が破壊不可能オブジェクトに変化して…

百三十九話 宇宙船

「懐かしい……街並みね……」「お母様は、この景色を知っているのですか?」「ちょうどね、麗奈の両親……私の妹たちの家があったのが、この辺りなのよ」 そんな他愛のない会話をしながら、懐かしい東京の街を歩い…

百三十八話 ナナナシア帰還

 それから一ヶ月はあっという間に過ぎた。 ミュシュは順調に回復して、あれからずっと留美、咲良、紅羽の三人に振り回されていた。何故かそこにエルシュまで引きずり込まれて、メルシュ女王が何だか嬉しそうにして…

百三十七話 生まれ変わり

 ルナナリア城の正門脇に停まっている魔神晶石車の、その後ろ側にある開け放たれた扉から、車に乗った兎人たちが次々に中に入っていく。車列は正門の奥に見える街の、ずっと向こうまで長く続いていた。 金色の縁取…