31話 そして俺たちは、この世界で生きていく
何となく見覚えのある景色が目の前に広がっていた。 あの日、所々崩れ落ちていた壁は綺麗に修復されていて、その壁の向こう側にはビル達が互いに天を掴むかのような勢いで立ち並んでいる。 荒野の道の脇に車を停…
何となく見覚えのある景色が目の前に広がっていた。 あの日、所々崩れ落ちていた壁は綺麗に修復されていて、その壁の向こう側にはビル達が互いに天を掴むかのような勢いで立ち並んでいる。 荒野の道の脇に車を停…
崩れていく塔を眺めていた。 魔素消滅爆弾は、とてつもない大爆発を起こしたらしい。 案の定、レイジは蘇った。 たとえ魔素消滅爆弾であっても、レイジを滅ぼすことはできなかった。 気が付いたらかなり離れ…
大樹の幹を調べると、木の幹に隠れるように場違いな形のスイッチがあった。 手を伸ばしかけて、その手が止まった。 ただ未だに、心のどこかで迷いがある。 手紙に書かれていたことが、どこまで本当のことなの…
レイジは大きく息を吐いた。 まだ、この男達がやったと決まったわけじゃない。 やったのは魔獣。きっとそうに違いない。 同じ人間なんだ。街を丸ごと侵略し、略奪。命を奪って破壊の限りを尽くす。 間違えても…
城の前で車から降り、階段を上った先にそれはあった。 巨大な城の中央下側が半円状に抉り取られていて、そこに透き通った黄色の巨石が鎮座していた。直径は二十メートルはあるだろうか、歪な卵形の巨大な魔石がこ…
呆然と、レイジは立ちすくんでいた。 走って、走り続けて、日が暮れるまで走り続けた。そして次の日も朝から足を回し続けて半日。結局誰もいない事を確認できただけだった。 風化しているものと、風化していな…
「おや、気が付いたのかい。さすがに事故とは言え、女の子のスカートの中をじっくり覗くのは感心しないねぇ」 目を開けると、壁が白い部屋の中だった。天井には照明が少し暗めに点灯されている。 どうやらレイジは…
気が付くと、視界は真っ暗だった。 死してなお、蘇った事だけは理解した。ただ、蘇ったとたんに全身に激痛が走る。腐臭が鼻につく。「…………!!」 灼けた喉で必死に叫ぼうとするも、声にすらならない。 もし…
追っ手をまきながら、北に向かっていた進路を何度か変えているうちに、既に自分たちが今いる場所が分からなくなってきていた。 この世界には車はあっても、自動で現在地を教えてくれるような便利な地図は無い。 …
「そ、それって……?」「たぶん、大きな都市を一瞬で滅ぼすことが出来る、大量破壊兵器……かな」 もしかしたら、開けてはいけないものを開けてしまったのかも知れない。 戦慄を覚えつつも一旦その部屋の扉を閉め…
結果的に、魔力回路が出来たことで、勝手に放出されていたレイジの魔力が放出されなくなった。 それによって、本来の効果である『魔力を吸う』力が働き始めたのではないか。 二人で検証した結果、そういう結論に…
再び車に乗って、昨日から使っている民家の庭先に向かった。 その道中で、アンジェリーナはゆっくりと語り始めた。 「人間達はね、それまでも、もの凄い努力をして、すごく高度な文明を築き上げてきたんだよ。 …
「ごめん、ちょっと取り乱しちゃったね」 しばらくして、恥ずかしそうに笑ったアンジェリーナは、その流れで大きなあくびを漏らした。 やっぱりレイジが右手から渡した魔力は相当規格外だったようで、興奮が収まる…
俺のベースは間違いなく人間だと思う。普通にお腹がすくし、動けばちゃんと疲れたりする。 喜怒哀楽もあるから普通に落ち込むし、悲しい時にはちゃんと泣く。嬉しい時には笑顔になるし、ちゃんと笑えているのかな…
不思議な女性だった。 これまでに見たことがないような美女だった。透き通るような肌に、華奢な体。胸元は……見なかったことにした。 身長はレイジより少し高い程度か。 思わず見とれていたら、首を反対側に傾…