16話 ガンドゥン帝国
帝都の高い壁が見えてきたところで、レイジは車の進路を横に変えた。 平らに均された土むき出しの道路から、脇の荒れ地に入って、少し進むと大きな岩がいくつもある場所に出た。 そこで車を停めて、大きく息を吐…
帝都の高い壁が見えてきたところで、レイジは車の進路を横に変えた。 平らに均された土むき出しの道路から、脇の荒れ地に入って、少し進むと大きな岩がいくつもある場所に出た。 そこで車を停めて、大きく息を吐…
意識がはっきりとしてきた。 青空が視界に入ってくる。 また……蘇ってしまった。それも恐らく、最悪の形で。 あのまま凶弾に撃たれて仰向けに倒れたのだろう、背中に背負ったリュックサックが潰れていた。…
「まず、俺は試験管の中で産まれたと思うんだ」「……ほぉ、女帝スカーレットのやっていた人体実験は、成功したと言うことか」 クロードの言葉に、レイジは思わず息を呑んでいた。 記憶にあるあの煌びやかに服を着…
意識がゆっくりと浮上していく。 「ははっ、マジか。相も変わらず全快してるとか、笑えない冗談だな……」 当たり前のように生きている自分に、何だか少し空しさがこみ上げてきた。 さっき意識を手放した場所で…
冒険者ギルドを出ると、いつの間にか太陽が真上に昇っていた。 思いの外長い時間、あの部屋で話をしていたらしい。片掛で背負っていたリュックサックを、両肩で背負い直した。 朝、窓から外を見た時には、駐車場…
目を開けると、窓から朝の日差しが差し込んでいた。 昨日はそのまま冒険者ギルドの宿泊施設に泊まった。もともと予定していたとはいえ、空室があるか確認しいなかったので、部屋が確保できたのは運が良かったんだ…
冒険者ギルドの駐車場に車を停めて、エンジンを止めた。 車両組合の人に言われたとおりボンネットを開けて、魔石を取り出そうとエンジンルームを覗き込んだ時にそれは起きた。 突然『ドカーン』と言う大きな音と…
入り口に立つと、横開きのドアが自動的に開いた。 途端に中の喧噪が耳に飛び込んできた。思わず自分の口元が緩んだのが分かった。うん、やっぱりここは冒険者ギルドだな。 外観は、三階建ての箱形のビルだった…
瓦礫と化した街を、トラックで走り抜けていた。 幸いなことに、トラックが履いているタイヤはかなり丈夫に作られているらしく、道に散らばる瓦礫の上を難なく駆けている。逆に言えば、衝撃は吸収できないようで、…
ゆっくりと、意識が浮上してきた。 確か……俺は死んだはず。それなのにまた、生きている。 場所は、変わっていないようだった。屋根裏、うつ伏せで寝転がっているままだった。 変わったのは、目の前に穴が開…
森を抜けた先にあったのは、戸建てが立ち並ぶ住宅街だった。ぐるっと見回すと、大半の家がまるで内部から爆発したかのように崩れていた。 無事な家は、全く無い。 歩きながら、相変わらず足裏に刺さる瓦礫に顔を…
目を開けると、体が揺れていた。 いや、硬い床が背中にあって、その床が路面の凹凸を拾っているようだった。 待て……これはいったい、どういう状況なんだ? 確か崩れた高層住宅の部屋に入って、寝室のベッドに…
しばらく呆然としたあと、俺は立ち上がった。 あいにくと、空は綺麗な青空が広がっていた。太陽が照りつけ、乾いた空気が風に運ばれて流れていく。 運がいいことに、目の前にある瓦礫は熱で溶けていなかった。俺…
俺は地面に腕をついて、ゆっくりと立ち上がった。体からぱらぱらと瓦礫片やガラスが地面に落ちた。 軽く体の表面を払うと、細かい破片が床に散らばった。 血だと思っていたのは、もしかしたら自分が浸かっていた…
意識が戻ると、周りが闇に沈んでいた。 相変わらず体は動かない。目だけは、やっぱり普通に動くようだ。ただその目も、今目の前に広がっている真っ暗闇の中では、何も視界に映せなかった。 『コポ――』 目の前…