31話 メルフェレアーナ・メナルア

「ここの大図書館を使ってる人、久しぶりに見たよ」 大図書館? ここは国立蔵書安置殿 じゃないのかな? 篤紫は思わず、心の中で突っ込んでいた。 そこには、魔女がいた。 ものすごいインパクトだった。本気で…

32話 出発ち

「母上、戻ってらっしゃったのですか?」 魔導城の主、メルフェレアーナ・メナルアとの衝撃的な出会いにびっくりして真っ白になっていると、上の方から声が聞こえてきた。「あら、シャーレじゃない、久しぶりね」「…

33話 シオコマ街道

 馬車の旅は順調だった。 荷馬車が先頭を走り、乗用馬車がその後を続いていた。 先頭の荷馬車はレイドスさんとタカヒロさんが操り、残りのメンバーは乗用馬車に乗ってゆっくり揺られていた。「本日は、よろしくお…

34話 コマイナ都市遺跡

 シオコマ街道の終点は静かだった。 馬車の停留と拠点の敷設のために、円形の大きな広場が確保されている。 そこには、篤紫たちの馬車以外に何も停まっていなかった。 予定よりも1時間ほど早く到着できたので、…

35話 夏梛の悩み

 夏梛は悩んでいた。 あのときあたしは、カレラちゃんと二人で油断していたのだと思う。 だからあたしは、おかあさんを失った……。 この世界に来て初めてのお友達。 洋服屋さんで、カレラちゃんとお揃いの服を…

36話 ひとときの休息

 いつの間にか、騒がしかった周りが静かになっていた。 桃華は少し背中を伸ばした。 目の前では、夏梛とカレラちゃんに加えて、魔王であるサラティさんが一緒になってコマイナ都市遺跡を眺めて騒いでいる。 グラ…

37話 コマイナ攻防

 夜の帳が下りてきた。あちらこちらで、魔石灯の明かりが灯る。 この後、アンデッドの襲撃が本格的に始まるという。 辺りに張られているテントの中は戦々恐々としているようで、日が落ちたばかりなのにひっそりと…

38話 篤紫の覚悟

「申し訳ありませんが、それは許可できません」 篤紫の申し出は、当然ながらあっさり却下された。 自分でも無茶な提案だったとは思う。「先日は、国を守るという明確な目的があったこと。それと、あの時点で一番適…

39話 ダンジョンコア

 海面は波もなく穏やかだった。「うわああぁぁぁ、くっそ楽しいぞおおぉぉ!」 ダンジョン内の海は、多少の海流はあるものの、構造的には人工の海だと言える。水も塩水ではなく淡水のようだ。 その水面を凍らせな…

40話 ダンジョンの事情

『新規所有者とのリンクが必要です。 ソウルメモリーの接触、若しくは手を接触させることによる生体登録が可能です。いずれかの方法で、登録を進めてください。 なお、現在設備維持のための保有魔力が少なくなって…

41話 太陽の異変

「レアーナ! 大丈夫なの?」 客間の扉を開け放ち、桃華が部屋に飛び込んできた。 ベッドでは、青いワンピース姿のメルフェレアーナが、ちょうど蜂蜜水を飲んでいるところだった。「あ、桃華。やっほ、死に送りさ…

42話 魔術塔

「てなわけでさ、オルフェナちゃんが借りられないみたいだから、一緒に行って欲しいんだよ。北極か南極に」「レアーナの言ってることがわからない」 今後の身の振り方を悩みながら、近くの公園で黄昏れていた篤紫は…

43話 月と星の石

「それはそうと、何でオルフェナを借りる話になったんだ?」 結論としては確実に、魔術塔へは行かなければならない。 ただ、メルフェレアーナから最初に聞かされたのは、確かオルフェナを借りるとか借りないとか言…

44話 黒炭結晶とガラスの世界

 ダンジョンの外は、夜になって、生ぬるい風が吹く程度にまでは冷えてきていた。 目に見える森は、黒炭結晶化した木々から薄く煙が出ていた。もう何日も加熱と冷却を繰り返しているのに、山々の面影はそのままだっ…

45話 コマイナ空を飛ぶ

 全員が呆然としてモニターに映る景色を眺めていた。 少なくとも、ダンジョンであるコマイナが、空を飛んでいることだけは理解できたようだった。「ど、ど、どど、どどどど」 メルフェレアーナは壊れてしまったよ…